ゆきどころのない迷い。
つかめない希望。
――― みえない現実とみえない非現実。自然の情感に反して、
混迷する心の闘争に終わりはない。
けして一つではない麦畑、
一つではないにんげんの心向き。終わることのない日々のいとなみ。
光と闇のはざまで、ゆれる麦畑。
麦畑には言いしれぬ原風景のなつかしさが漂う。
1969年、ケイタケイとNYの多国籍の学生仲間たちとの創作からはじまったムービ
ングアース「LIGHTシリーズ」。
ひとつの章が独立しながらも、延々と連なる34章をこれまでに発表。それは根源的に、ひとつの作品では踊りの魂と感覚は完結できないというダンスの宿命をもって、世界中で終わらない旅を繰り広げてきました。
40年目にあたる2009年から、現在のメンバーとともに再び活発に創作を開始。山形公演としては、昨年好評を得たLIGHT,Part 7「創作畑の日記」に続く第2弾となります。
畑と踊りの現場の只中で体験しているような「LIGHT」フィールド・シリー
ズの醍醐味を、ぜひご体験ください。
「日常の生活と深く結びついたからだの動き」をテーマに、自分のからだの内にある創造的感覚を見出してみましょう。
自分自身と周りの人、周囲の空気とのコミュニケーションの面白さ。
即興で生きてみる、動いてみることも、豊かな感覚とあらたな自分の発見へとつながっていきます。
舞踊家、振付家。ケイ タケイ’sムービングアース・オリエントスフィア主宰。
1969年「LIGHT, Part 1」にてニューヨーク・デビュー。これまでシリーズ全34 Partを創作、世界各地で公演。
1979年と1985年日本招待公演。「24時間LIGHT」を、米国、東京、ベルリン、ウェールズにて上演。
1992年帰国。近年はイスラエル、米国、NY、インド、オランダ、ドイツでも公演。
2008年アメリカン・ダンス・フェスティバル75周年記念にてソロ公演。さまざまな表現者との協同作業も多い。
これまでにフルブライト・スカラシップ賞、ナショナル・エンバーモン芸術助成金、グッゲンハイム・グラントほか振付賞等を授与。
日本舞踊批評家協会賞( 1 9 7 9 )、M e e t T h eC o m p o s e r 賞( 1 9 9 1 )、ニムラ舞踊賞(2007)を受賞。